ステマ規制、怒られるのは「頼んだ会社」だった!
SNSで宣伝するときのルール「ステマ規制」を、11歳で経営者1年生の「Nori社長」が、消費者庁の資料をもとに図と例え話でやさしく解説します。
この記事の要点
- 2023年10月1日から、広告なのに広告と分からないようにする宣伝(ステマ)が景品表示法で禁止された
- 規制されるのは、宣伝を頼んだ会社(広告の内容の決定に関与した広告主)。頼まれて投稿した人は原則として対象外
- 違反すると消費者庁から措置命令を受けることがある
- 頼んだ投稿には「広告」「PR」などを分かりやすく表示してもらうのが基本の対策
※この記事は、消費者庁が公表している資料をもとにした一般的な情報提供です。当社は法律事務所ではありません。個別のケースが規制にあたるかどうかの判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。(情報の確認日:2026年10月20日)
30秒でわかる結論
- 2023年10月1日から、「広告なのに、広告だと分からないようにする宣伝(ステルスマーケティング)」が、景品表示法で禁止されました。
- 規制されるのは、宣伝を頼んだ側の会社(広告主)です。頼まれて投稿したインフルエンサーなどは、原則として規制の対象ではありません。
- 違反すると、消費者庁から措置命令(行政処分)を受けることがあります。
- 対策はシンプルで、頼んだ投稿には「広告」「PR」などの分かりやすい表示をしてもらうことです。
Nori社長の「メロンパン事件」でわかるステマ
(例え話です。実際に規制にあたるかは、頼み方や関係性など個別の事情で判断されます)
図でわかる:だれが、どこに「PR」と書くの?
ルールの中身(消費者庁の資料のポイント)
いつから?
2023年(令和5年)10月1日から始まりました。景品表示法にもとづく「告示」という形で決められています。
何がダメなの?
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことです。会社がインフルエンサーなどの第三者に頼んだり、指示したりして出してもらう投稿も、「会社の広告」に含まれます。SNSの投稿やレビュー(口コミ)だけでなく、テレビ・新聞・雑誌なども対象です。反対に、本当の個人の感想や、テレビCMのように見ればすぐ広告だと分かるものは対象外です。
誰が規制されるの?
規制されるのは、商品やサービスを売っている会社(広告主)、つまり広告の内容の決定に関与した会社です。頼まれて投稿したインフルエンサーやアフィリエイターは、原則として対象ではありません(ただし、広告主と共同で商品やサービスを供給しているような例外的な場合は対象になります)。
違反するとどうなるの?
消費者庁から措置命令(行政処分)を受けることがあります。違反とまでは言えなくても、そのおそれがあれば指導を受けることもあります。課徴金(お金を納める命令)は原則として対象外ですが、内容が実際よりよく見せる表示(優良誤認・有利誤認)を含む場合は、対象になることがあります。
ひと目でわかる:OK・NGの見分け方
✕ 気をつけたい例
- 報酬を払って投稿を頼んだのに「広告」「PR」の表示がない
- 「星5をつけたら割引」「『おいしい!』と書いたらプレゼント」のように、評価や感想の中身を条件にする
- 自社に都合のよい内容に口コミを書き直してもらう
- アンケートの良い意見だけを選んで引用する
- 頼んで書いてもらった投稿を「お客様の声」として載せる
- 「広告」の表示を、返信(ツリー)の中だけや動画の最初の一瞬だけに出す
○ 基本的に大丈夫な例
- お客様が自分の意思で書いてくれた感想(頼んでいないもの)
- 「口コミを書いてくれたら割引」のように、感想の中身を指定しないお願い
- 感想の中身を指定しない、ハッシュタグ付きの投稿キャンペーン
- 事実と違う内容の修正だけをお願いすること
※どれも消費者庁のQ&Aでの「通常は」の判断です。対価や関係性などから、会社が内容に関わっていると判断されれば、会社の広告になることがあります。
社員の投稿は?
社員が自分のSNSで自社商品の感想を投稿しただけで、すぐに違反になるわけではありません。ただし、販売促進の立場にある人など、地位や担当業務、投稿の目的によっては「会社の広告」にあたることがあります。その場合は「広告」などと分かりやすく書く必要があります。「私は○○社の社員です」と所属を書くだけでは、明瞭とはいえない場合が多いとされています。
Nori社長が今日からやること
- 頼んでいる投稿を洗い出す:インフルエンサー、紹介者、社員など、会社がお願いしている投稿がないか確認する
- 表示のルールを決める:「広告」「PR」「○○社から依頼を受けて投稿しています」など、どう書いてもらうかを決めて、頼むときに伝える
- 口コミのお願いの仕方を見直す:星の数や感想の中身を条件にしていないか確認する
- 2023年9月以前の依頼投稿も確認する:規制が始まる前に頼んだ投稿でも、今も表示されていれば対象になる可能性があるとされています
よくある質問
「PR」と書けば大丈夫ですか?
「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」と書く方法や、「A社から商品の提供を受けて投稿している」と文章で書く方法が、消費者庁の資料で示されています。ただし、表示の場所や大きさ、色なども含めて、見る人に分かりやすいかどうかで判断されます。
SNS運用を代行会社に任せている場合は?
消費者庁の資料には、SNS運用を外部の会社に任せた場合を直接扱った記載は、確認日時点では見当たりません。資料では、規制の対象は「表示の内容の決定に関与した事業者」とされています。誰が作業したかではなく、広告の内容の決定にどう関わっているかで考えられます。任せる場合は、「広告」「PR」などの表示をどうするかを、あらかじめ代行会社と決めておくと、後から迷いにくくなります。個別のケースの判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。
無料で商品を送ってレビューしてもらうだけでも対象ですか?
無償の提供でも、個別の事情によっては「会社の広告」になることがあるとされています。迷う場合は、提供を受けたことを書いてもらうのが分かりやすい方法です。
まとめ
ステマ規制の考え方は、「頼んで言ってもらっているなら、そう伝えよう」という、とてもシンプルなものです。見る人が正しく判断できるようにすることは、結果的に会社への信頼にもつながります。
当社は、Threadsを中心にSNS運用代行を行っています。運用の進め方(投稿の企画・運用体制など)についてのご相談を承ります。なお、個別の投稿や取り組みが法令にあたるかどうかの判断は、当社では行いません。弁護士などの専門家にご相談ください。
出典(一次情報)
- 消費者庁「ステルスマーケティングに関する景品表示法上の規制について」(施行日:令和5年10月1日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/ - 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/stealth_marketing/ - 告示「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」および運用基準(令和5年3月28日)※消費者庁の上記ページからリンク
情報の確認日:2026年10月20日。法令や運用は変わることがあります。最新の情報は消費者庁のページでご確認ください。この記事は一般的な情報提供であり、個別の判断は弁護士などの専門家にご相談ください。Nori社長は、この記事のために作った架空のキャラクターです。