COLUMN
「営業代行はやめとけ」と言われる本当の理由|交流会で何度も聞いた話と、頼む前に確かめたい5つのこと
交流会で「営業代行をやっています」と自己紹介すると、「営業代行、嫌いなんです」と返されることがよくあります。なぜそう言われるのか、そして頼む前に何を確かめればよいのかを、営業代行をしている当事者の立場からまとめました。
交流会でよく聞く「営業代行、嫌いなんです」
私は法人営業の仕事を17年以上続けてきて、いまは問い合わせフォーム営業を使った営業代行をしています。経営者の交流会で「営業代行をやっています」と自己紹介すると、「営業代行、嫌いなんです」と言われることが本当に多いのです。
理由を聞いてみると、「以前、月額制の営業代行に頼んだけれど、うまくいかなかった」という話がほとんどです。最近では、「営業代行をやっていると言うと、たいてい嫌いだと言われるんですよ」と話すだけで、体感でほぼ9割の方が「僕の周りにも、騙されたと言っている人がいます」と返してくれます。
あまりに多いので、最近は交流会で「営業代行に騙された、営業代行が嫌いだという方がいたら、ぜひ紹介してください」とお願いするようにしています。「めちゃくちゃいますよ」と、そこから話が盛り上がるほどです。
「やめとけ」と言われる話の中身
交流会で聞く話には、共通点があります。
半年契約して、アポが1件も入らなかった
2026年10月の交流会でも、月額制の営業代行と半年間契約したのに、アポが全く入ってこなかったという方の話を聞きました。月額制の場合、アポが取れなくても毎月の費用はかかります。半年続けば、成果がないまま半年分の費用だけが出ていきます。
動いているのかどうかが見えない
当社に寄せられた相談の中には、「月額制で全く成果が出なかった」「成果報酬だったのに、動いているのかどうかも分からない会社があった」という声もありました。成果が出ないこと以上に、何が起きているのか分からないことが、不信感につながっているように感じます。
なぜ、そうなってしまうのか(当事者としての見方)
ここからは、営業代行をしている立場から見た、私なりの考えです。
1. 商材と手法が合っているかを確かめないまま始まる
営業の手法には向き・不向きがあります。私は飲食店・美容室・エステサロン・工務店・墓石店・マンションデベロッパー・全国チェーンの飲食店・学習塾など、さまざまな業種に営業をしてきました。その経験から、サービスの内容を聞けば、その手法でアポが取れそうかどうかはある程度分かります。逆に言えば、合わない商材のまま始めてしまえば、どれだけ動いてもアポは入りにくいのです。
2. 費用の前提がすり合っていない
1件のアポにいくらまでかけられるかは、会社によって違います。サービスの単価や、1社のお客様から長く得られる売上(LTV)、原価率によって、許容できる金額は変わります。ここを決めないまま契約すると、「アポは取れたけれど割に合わない」「思っていたより高くついた」ということが起きます。
3. 経験の浅い担当者に任されていることがある
交流会の場では、業務委託などで経験の少ない人が、大手の営業代行の営業として来ている場面を見かけることがあります。担当者によって成果が大きく変わるのが営業という仕事なので、誰が担当するのかは、確かめておきたいポイントです。
営業代行を頼む前に確かめたい5つのこと
営業代行そのものが悪いわけではありません。社内に営業の人手が足りない会社にとっては、心強い手段になります。だからこそ、頼む前に次の5つを確かめておくことをおすすめします。
1. 月に何件のアポが欲しいのか
最近も、「社内3名で案件をさばくだけで手一杯で、営業に手が回らない」というご相談を受けました。私がまず確認するのは、「月に何件くらいアポが欲しいですか」「いまの目標はどのくらいの件数ですか」ということです。目標の件数が決まっていないと、成果を測ることができません。
2. 1件あたり、いくらまでかけられるのか
サービスの単価とLTVから、1件のアポにかけられる金額を逆算します。広告費として売上の10%まで使えるのか、20%までなのか、営業経費として30%まで許容できるのか。これは会社ごとに違うので、こちらで一方的に決めつけず、原価率や粗利率も伺ったうえで一緒にすり合わせます。
3. 自社の商材・ターゲットに、その手法が合っているか
手法が合っていなければ、正直に「合わない」と言ってくれる相手かどうかも大切です。当社では、ご相談いただいたサービスが当社の手法に合わないと判断した場合は、こちらからお断りしています。紹介や電話、SNSなど、ほかの手法の方が合うと思えば、その手法が得意なパートナー企業をご紹介することもあります。
4. 何をもって「アポ」と数えるのか
「アポ1件」の中身が会社によって違うことがあります。誰と、どのくらいの時間、どんな状態で会えたらアポとして数えるのかを、契約の前に文書で決めておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。
5. 報酬の形は、自社に合っているか
「成果報酬なら損をしないから安心」と考える方も多いのですが、私はそうとは限らないと考えています。当社も以前は完全成果報酬(売上が立ったら報酬を払う形)でお受けしていたことがありますが、今はアポを1件獲得するごとに報酬をいただく形に変えました。
理由は、商談での提案やクロージングがうまくいかないと、どれだけ良いアポを届けてもお互いにとって良い結果にならないことがあったからです。こちらは質の高いアポを届けることに集中し、お客様は提案とクロージングに集中する。役割をはっきり分けた方が、お互いに仕事がしやすいという結論になりました。
また、成果報酬で頼む場合は、相手が先に費用と時間をかけて動いていることも意識しておきたいところです。アポが来てから「この相手は微妙だ」と提案に力が入らなくなってしまうのであれば、成果報酬はお互いにとって良い形ではないのかもしれません。
知っておきたい、営業代行の料金体系
「やめとけ」と言われる原因の多くは、料金の仕組みと期待していた成果のずれにあります。営業代行の料金体系は、大きく分けて次の3つです。
固定報酬型(月額型)
成果にかかわらず、毎月決まった費用を払う形です。営業担当者の稼働時間や、電話・メールなどの件数に対して払うイメージです。費用の見通しが立てやすい一方で、成果が出なくても費用はかかります。頼む場合は、毎月どんな活動をして、どんな反応があったのかを報告してもらえるかが重要です。
成果報酬型
成果が出たときだけ費用を払う形です。何を「成果」とするかで、さらに分かれます。
- アポ獲得型:商談の約束(アポ)が1件取れるごとに費用が発生します。商談から先の提案・契約は、自社で行います。
- 受注・売上連動型:契約が決まったときや、売上が立ったときに費用が発生します。代行会社が商談やクロージングまで関わる形が多くなります。
成果が出なければ費用がかからないので、頼む側のリスクは小さく見えます。ただし、1件あたりの単価は固定報酬型より高くなりやすく、代行会社は成果が出やすい商材しか引き受けない傾向があります。
併用型
少額の月額費用と成果報酬を組み合わせる形です。代行会社は最低限の稼働費を確保でき、頼む側は成果に応じて払うので、両者の負担のバランスを取りやすい形です。
契約の前に確認しておきたい条件
料金体系とあわせて、次の条件も契約前に確認しておくと、「こんなはずではなかった」を防ぎやすくなります。
- 最低契約期間と途中解約の条件:何か月続ける前提なのか、途中でやめる場合はどうなるのか。
- 報告の頻度と中身:何社にアプローチして、どんな反応があり、なぜアポにならなかったのかまで報告してもらえるか。
- 誰が担当するのか:実際に動く担当者の経験や、担当者が変わる可能性。
- アプローチ先のリストと、営業の文面やトーク:誰がつくり、事前に確認できるか。自社のブランドに関わる部分です。
- 成果の定義:前の章の「何をもってアポと数えるか」を、契約書に書いておけるか。
よくある質問
営業代行は、どんな会社に向いていますか?
一般的には、サービスの単価が高く、1社と契約できれば十分に元が取れる会社や、社内に営業の担当者がいない・足りない会社に向いています。反対に、単価が低い商品や、決裁者に直接アプローチしても判断されにくい商品は、営業代行の費用が見合わないことがあります。
成果報酬型なら、損はしませんか?
成果が出なければ費用はかからないので、金額の面での損は小さくなります。ただし、「成果」の定義があいまいだと、思っていた成果とずれることがあります。また、本文で書いたように、受け取ったアポを自社がきちんと商談につなげられるかどうかで、結果は大きく変わります。
営業代行を使うと、社内に営業のノウハウが残らないのでは?
任せきりにすると、そうなりがちです。どんな会社に、どんな伝え方で反応があったのかを報告してもらい、自社の営業資料や商談の進め方に生かしていけば、ノウハウは社内にも残せます。報告の中身は、契約前に確認しておきましょう。
一度失敗していても、また頼む意味はありますか?
失敗の原因が「商材と手法が合っていなかった」「費用の前提がずれていた」のであれば、手法や報酬の形を変えることで結果が変わることがあります。前回なぜうまくいかなかったのかを整理してから、次の相手を選ぶのがおすすめです。
当社の営業代行で大切にしていること
最後に、当社のやり方を少しだけご紹介します。
- 問い合わせフォーム営業だけでアポを獲得しています。電話をかけ続けたり、交流会で無理に人をつないだりはしていません。
- 相手が自分から日程を入れたものだけがアポになります。サービスの概要を見て興味を持ち、ホームページを調べ、自分で日程を登録した企業だけが商談につながるので、「話を聞くだけ」のアポになりにくいのが特徴です。お客様からも「アポの質が高い」と言っていただいています。
- アポを1件獲得するごとに報酬をいただく形です。合わない商材であれば、契約の前にお伝えしています。
「営業代行に一度失敗して、もう頼みたくない」と思っている方にこそ、一度お話を伺えたらと思っています。